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第54回「くらしを支える、まちをつくる ~土木の話~」
秋も深くなり、商店街を通る人々の服装も冬支度にかわりつつあります。
今回は土木技術者女性の会から牛山育子さん、古谷祥恵さんからの話題提供で、「くらしを支える、まちをつくる ~土木の話~」というお題でした。
まず土木と聞くと、作業着を着てつるはしやシャベルを掲げているイメージがありますが、実際の土木では,実に様々なことをしています。土木の内容を大きく2つに分けると、『ソフト』と『ハード』があるそうです。
『ソフト』とは、いわゆる都市計画であり、どこに何を作るかを決めるものです。
『ハード』とは、実際に水道、電気、道路などを作ることです。まず、牛山さんからはソフトに関する話をしていただきました。
何かしらの建物などを作るときは事前に様々な調査が必要です。
例えば道路を作ろうとしたとき、どのくらいの交通量があるのか、道路を作れる地面なのか、費用を出してまで作る効果はあるのか等を調べなければなりません。
そのような事前調査も、土木の重要な仕事です。
また、何の考えも無しに都市開発をしていくと、めちゃくちゃな都市ができてしまいます。
そこで、どこの土地にはどのような開発をしていくかを決める必要があります。
街づくりの方針などによって、土地は第一種低層住居専用地域、商業地域など 12種類の用途地域に分かれます。
用途地域によっては、土地の用途や建物の高さが決められている場合があるので、土地を買う時には気を付けなければなりません。
不動屋さんに掲げてある土地の広告にも制限などの情報が書いてあるということに、観客の皆さんも興味津々でした。
さらに、牛谷さんは土木遺産の紹介もされました。安治川トンネル、御堂筋、本町橋、淀屋橋など、大阪にもたくさんあるそうです。
次に、古谷さんからハードに関する話をしていただきました。
ハードの話とは「なにをどう作るか」といった話です。
例えばトンネル一つとっても、『山岳トンネル』、『沈埋トンネル』、『シールドトンネル』、『開削トンネル』と4つの工法があります。
『沈埋トンネル』とは、あらかじめ地上で作っておいたトンネルを海底に沈めたもので、『シールドトンネル』とは地面を大きなシールドマシンで掘り進め、掘った後はブロック(セグメント)で補強するものです。
各工法にはそれぞれ長所と短所があり、目的や予算、土地の状況などによって最適な工法を選んで工事を行っています。
また、建設した道路や橋などの維持、管理も土木の大事な仕事です。
建設物が劣化したり壊れていたりすると、大事故につながることもあります。
昨今は公共事業について何かと言われていますが、土木の人々の努力によって道路や橋などが建設、維持されており、私たちの生活を支えています。土木と一口に言ってもその内容は都市計画から実際の工事まで幅広く、その内容は水道や電気、道路や橋など街の発展には欠かせないものです。
まさに「土木は『街を作る』事業」と言うことができるでしょう。
最後になりましたが、ご来場の皆様、土木技術者女性の会の皆様、商店街の皆様に篤くお礼を申し上げます。
(K. Y.)
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