北天満サイエンスカフェ
北天満サイエンスカフェは、天五中崎通り商店街(おいでやす通り)で行われている、まちづくりと地域活性のための
プロジェクトです。お茶を飲む気軽さで、科学者と一般の皆さんが議論・交流する場を提供しています。


お知らせ

2020.12.1
前回に続き、12月13日の第144回「徹底討論 コロナ時代の大学教育」もオンライン開催します。おうちからスマホで参加できます!!

次回のサイエンスカフェ

第144回北天満サイエンスカフェ

徹底討論 コロナ時代の大学教育

2020年12月13日(日)14時~16時

進行:長野八久さん(大阪大学大学院理学研究科)

会場:オンライン(スマホで参加できます)




参加を希望される方は、nagano▲chem.sci.osaka-u.ac.jp 宛(▲を@に変換)に、
件名「144回サイエンスカフェ参加希望」として、氏名と電子メールアドレスを
お知らせください。
折り返し、サイエンスカフェへの招待状をお届けします。(参加無料)

サイエンスカフェにおける議論は主催者によって収録編集され、一部が後日当ホームページで公開されることを予めご了承ください。

前回のサイエンスカフェ

第142回北天満サイエンスカフェ 「みんなが手で話せる世界は これからのコミュニケーションを考える」
今回で5回目のオンライン開催となりました, 第142回の北天満サイエンスカフェ。テーマは「みんなが手で話せる世界は これからのコミュニケーションを考える」です。話題提供には手話エンターテイメント発信団oioiから, のぶさんとりょーじさんにお越しいただきました。



手話エンターテイメント発信団oioiは, 「きこえないひと」と「きこえるひと」の間にある「心のバリア」を壊すため, 手話を世の中に広めようとする団体です。しかし多くの人が手話に無関心では, 広めることはできません。oioiの皆さんがエンターテイメントにこだわって活動するのは「手話って面白そう!」と興味を持つ人を増やすことが重要と考えているからだそうです。2020年に完成した「シュワ (手話) ちゃん映像制作プロジェクト」など, ライブイベントに限らず幅広い活動をされています。

当日は, 簡単には語りつくせない手話の魅力を以下の5つにまとめて紹介してくださいました。
1.ジェスチャーと表情の表現力が高まり, 伝える力が伸びる
2.相手をよく見るため反応や変化にも気づきやすく, 配慮や気遣いにつながる
3.音声が届かない状況 (離れている, 騒音がひどい, 海の中などなど) でもコミュニケーションがとれて便利になる
4.難聴になっても意思疎通ができる (更に, 手指の運動で認知症を予防できるかも?)
5.手話を学び「きこえない人」の文化や価値観を知ることで, 外国語を学ぶのと同じように新しい世界が広がる

様々なシチュエーションを例に挙げて, 手話は「きこえる人」にとっても「きこえない人」にとっても, 生活を豊かにする言語なのだと教えていただきました。

参加者からは, 「流ちょうな関西弁はどうやって習得したのか」
「手話にも流行語はあるのか」
「擬音語や専門用語はどうやって表現されるのか」
「読唇や発声はどのようにして身につけたのか」 など
たくさんの質問が投げかけられました。決して楽しいばかりではない経験も交えながら丁寧に回答してくださり, 知れば知るほどもっと知りたくなるという手話の奥深さを実感した時間でした。一部の質問への回答は動画にまとまっていますので, お2人のパワフルで楽しい雰囲気と共にお楽しみください。

ちょっと覗いてみる

また, oioiの皆さんが目指す社会についてもお話ししてくださいました。それは, 手話が当たり前に使われることで, きこえる人ときこえない人が歩み寄れる社会です。そんな社会では, 本当は分かっていないのに周囲に合わせて笑うようなことをしなくて済み, 心からコミュニケーションを楽しむことができます。「マイノリティがいやだから」という理由で手話を使わない選択をしなくてもよく, 便利に生活することができます。きこえない人だからと困惑したり過剰に遠慮したりせず, 相手と親密な関係を築きやすくなります。

「きこえない」ことは見えないから, 気付いてもらうにはどこかへ行く度に説明しなければなりません。しかしそれはキリがなくてしんどいので, 始めから説明を諦めることもあるそうです。手話が当たり前になっていって, 自然ときこえない人に気づけたり, 意識せずとも配慮できたりする社会にしたいですね。ちょうど今はそんな社会への移行期です。私たちが思いっきり手話を楽しむことで, 他者の背景を慮れる社会づくりに貢献できたらいいなぁと感じます。

第141回北天満サイエンスカフェ 「鳴く虫を飼う」
夏の盛りに開催された第141回サイエンスカフェ。今回のテーマは「鳴く虫を飼う」。鳴く虫研究社の後藤啓さんに話題提供していただきました。



虫の鳴き声を愛でる文化は万葉の時代から日本に存在し, かつては貴族の楽しみでしたが, 江戸時代から庶民にも広く親しまれるようになったそうです。参加者のひとりによると, 江戸時代には御家人が虫屋を副業にしていたことが鳴く虫文化の拡大につながったのではないかとのことです。しかしテレビの普及や刺激的な娯楽の出現に伴い, 虫の鳴き声が演出する静寂を楽しむ文化は徐々に衰退していきました。かつて虫屋は日常の風景でしたが, 現在では鳴く虫の販売者はごくわずかです。

鳴く虫は, その音色に注目されることが多いのですが, 鳴く虫の楽しみ方はそれだけではないと後藤さんは言います。例えば, 羽化する瞬間, 終齢幼虫の背中が割れて真っ白な成虫が出てくる様子は神秘的で美しいですし, 全長わずか6mmほどの虫が部屋中に響き渡る大きさで鳴く様子は力強く感動的です。鳴く虫は知れば知るほど人を惹きつけるようです。

また, 鳴く虫の魅力は多様な分野への興味を湧きたたせるところにもあります。今回のサイエンスカフェでは参加者の興味によって様々な方向へ話が広がっていきました。例えば, 日本や中国の鳴く虫文化と欧米での鳴く虫文化との違いや, 鳴く虫の雌雄の差, 虫自身の鳴き声認識の仕方や, 虫と鳥とで鳴き声の役割が相似である不思議などなど……。虫についての知識が深まるだけでなく, 昆虫という存在の捉え方や文化の見方が変化する契機にもなったのではないでしょうか。このやりとりの一部は20分弱の動画にまとめられていますので, ぜひ当日の雰囲気を感じながら内容を楽しんでいただければと思います。

ちょっと覗いてみる

私たちが意識を向けさえすれば, 街の中でも虫の鳴き声を存分に味わうことができます。時には, せわしない生活の音から離れて, 鳴く虫の声に耳を傾ける贅沢な時間に浸ってみるのもいいかもしれません。

今回も、尽きない興味の楽しい会話がオンラインで繰り広げられました。 コロナ感染拡大前のように、商店街の路上で開催できておれば、商店街で思いがけずに遭遇した虫の音と楽しい会話に立ち止まって聴き入るたくさんの人たちがいたに違いないでしょう。 商店街サイエンスカフェの復活が待ち遠しい。

…(前回以前の記録)