北天満サイエンスカフェ
北天満サイエンスカフェは、天五中崎通り商店街(おいでやす通り)で行われている、まちづくりと地域活性のための
プロジェクトです。お茶を飲む気軽さで、科学者と一般の皆さんが議論・交流する場を提供しています。


第87回 黄昏サイエンスカフェ「ブラックホールを見る?」
毎年8月は黄昏サイエンスカフェと称して、夕暮れ時に天文の話題を取り上げています。今年は、いよいよブラックホールの登場です。話題提供は、大阪大学の林田清さん、X線天文学の研究者です。 今やブラックホールは宇宙に「星の数ほど」あることが分かっていますが、実際に初めてブラックホールの存在が確認されたのは、1970年代になってからのことで、白鳥座X-1と命名された天体です。 この発見には、日本の小田稔さんらが貢献しました。ブラックホールはあらゆるものを吸い込んで、光さえ出てこれない宇宙の穴なので、それを直接見ることはできません。 しかし、ブラックホールと連星をなす星があれば、その星のガスが吸い込まれるときに、強力なX線を放出するので、宇宙の強いX線源はブラックホールの存在の証拠の1つとなります。 また、ブラックホールは非常に大きな質量を持つので、連星がその周りを速い速度で回り、連星の光が周期的に変動したり、近くを通る光が大きく曲げられたりすることで存在が確認されます。


星の一生について説明する林田さん。

太陽よりもずっと大きい超新星が爆発すると、中心部分にブラックホールが残ります。ブラックホールは永遠にそのまま残るので、宇宙は歳をとるにつれ、ブラックホールだらけになるそうです。 宇宙には、超新星爆発によらないもう1つのブラックホールがあります。それは、銀河の中心に存在する巨大ブラックホールです。 これがどのようにしてできたのかは、未だ謎だそうです。この巨大ブラックホールも直接見ることはできませんが、 銀河の中心付近を通過する星の軌跡から、銀河の中心にあるブラックホール以外では説明できない高密度の巨大質量として存在が確認されました。


夜空をX線で眺めて見ると、非常に強くX線を出している星が無数に見つかります。ただし、大気はX線を透さないので、宇宙のX線を観測するには人工衛星に搭載されたX線望遠鏡が使われます。 X線天文学は、林田さんをはじめ日本の研究者とX線観測衛星が活躍しています。つい最近までX線観測衛星「すざく」が活躍していましたが、今年新しい衛星がまた打ち上げられるそうです。


ブラックホール(右)に吸い込まれてゆく星(左)の想像図。この時、強いX線が放出されます。

ブラックホール自身は見えないだけでなく、空間的にも非常に小さいサイズの穴なので、その穴をシルエットとして見るとしても、超高分解能の望遠鏡が必要になります。 林田さんの究極の目標は、ブラックホールの部分だけ抜け落ちた天体の姿をX線望遠鏡で見ることだそうです。 あらためて、宇宙にはまだまだ謎がいっぱいあることが分かったサイエンスカフェでした。

第86回 「こども面白サイエンスカフェ17」
今回もお父さん、お母さんと一緒に、こどもたちがたくさん集まってくれました。商店街アーケードは、こどもたちの歓声でとても賑やかに。


不思議!寒天に金属の板(銅と亜鉛)を差し込むだけで、音が聞こえる。豆腐に差し込んでも聞こえちゃうぞ!こどもたちは寒天に仕掛けがあるのかと、探してみるのですが・・・


羽に思い思いに色を付けて、竹とんぼをつくるちびっこたち。


アレ? なんで、コマは自分てひっくり返ってしまうのだろう?


自分で書いた絵が、こすったり、ドライヤーであぶると消えちゃった。でも、冷蔵庫で冷やすとまた現れると聞いて、大切にお家に持って帰ろうっと。

…(続き)