北天満サイエンスカフェ

北天満サイエンスカフェ
北天満サイエンスカフェは、天五中崎通り商店街(おいでやす通り)で行われている、まちづくりと地域活性のための
プロジェクトです。お茶を飲む気軽さで、科学者と一般の皆さんが議論・交流する場を提供しています。


第95回 「食をめぐる安全・安心・信頼―安全と言われても安心できないわけ」
今回は、私たちの生活の中心にある「食」に関する話題ということで、30名もの方々にご参加いただきました。 食に関しては、食品添加物のリスクや、コンビニ弁当などの食料廃棄、放射能汚染、農薬・化学肥料との向き合い方など、 幅広い分野にまたがって、様々な要因が複雑に絡み合った課題がたくさんあります。 それらをめぐってのサイエンスにも様々なアプローチがあります。 話題提供者の三好恵真子さん(大阪大学大学院人間科学研究科)は「食をめぐる安全・安心・信頼―安全と言われても安心できないわけ」というタイトルで、 2007年の冷凍ギョーザ農薬混入事件をきっかけに日本中に広がった中国からの輸入食品への不信について、 人間の心理的な側面に着目して解説しました。



なぜ私たちの安心や信頼はこれほど不安定なものなのでしょうか。 それは今日の非常に細分化した分業化社会が一つの要因として考えられます。 食に関しては、種や肥料を作る企業、作物を栽培する農家、生産現場から市場への流通業者、食材を加工販売する小売業者、 そして出来上がった食品を購入して食べる個人、と言ったように、「食べる」という行為であってもたくさんの過程を経ており、 消費者側からそれぞれを担う人をすべて把握することは困難。 さらに、仮にすべての過程について情報が得られたとしても、それらを理解し、的確に判断するためには最新の知識が必要。 そのため、「人々が安心するかどうかは、むしろ専門家や行政、メディアなどに対する信頼に依存してしまっている」と三好さん。



とは言え、サイエンスカフェに集まった参加者の中心的関心は、食の安全そのもの。 当然のことながら、安全であってこその安心。商店街の路上は、活発な討論会場になりました。 参加者から輸入食品の検疫で行われている抜き取り検査は十分なのかという疑問。 これに対して、抜き取り検査の信頼度は統計的に数値化して評価できるから、行政は検査の信頼度も示すべきとのコメント。 残留農薬のため「日本の食品でさえ安心できない」との意見がでる一方で、 たまたま通りすがりで参加の男性は、仕事を通じて知る農家の努力を熱く語りました。 流通に携わるこの男性は、福島県ではコメの全量放射線検査が行われており安全が担保されたものだけが市場に出るが、 県境を跨いでしまえば検査されない。福島県産ばかりを警戒するけれども、放射能汚染は県境で遮断されてはいないはずと指摘。 また、この春から下宿生活をはじめたという学生は、安全なものを食べたいけれども、 限られた生活費でやりくりしていかなければならないので、無農薬ばかりを選択できないと発言。 一方、製薬企業に勤める女性は、カビを防ぐ化学物質が添加されているからこそ食品は安全なのだと。 車いすの女性と参加した若い男性は、TPPが日本の農業を脅かすだけでなく、「自由貿易」のために食の安全基準も引き下げてしまう危険を指摘。 1時間足らずの間に、食の安全・安心をめぐる様々な論点が出されました。

サイエンスカフェは、そもそも話題提供する専門家に教えを乞う場ではありません。 また、参加者が一致する何らか結論を導き出そうとする場でもありません。 議論を通じて、参加者がそれぞれに新しい視点を獲得できれば、有意義なサイエンスカフェであったと言えます。 活発な議論がなされた今回は、わが路上サイエンスカフェの本領を発揮。 サイエンスカフェ終了後のアンケートでも、「これぞサイエンスカフェ」との評をいただきました。 また、「期待していたものと違った」けれども、「参考になった」との評も多くいただきました。 当サイエンスカフェは、これからも多様な視点を入り口にして、「食の安全・安心」を取り上げますので、 皆様のご参加をよろしくお願いします。テーマ設定についてのご要望もお待ちしております。

第94回 「こども面白サイエスカフェ19」
サイエンスカフェは桜とともに、北天満に戻って来ました。桜は満開、絶好の花見日和になった今日は、大阪城や扇町公園には、たくさんの人が繰り出し、サイエンスカフェ会場の天五中崎通近くの黒崎公園にも、桜の木の下にシートを広げ、お酒や囲碁に興ずる人々。そのためか、商店街の人通りはいつもの日曜日よりもちょっと少な目の感じ。
今日は春休み恒例の「こども面白サイエスカフェ」、6人の理科の先生たちが、それぞれ十八番の科学マジックを披露。こどもも大人も興味深く見入り、こどもたちは自分たちで科学マジックの道具を作りました。外国人の家族も熱心に参加。言葉が通じなくても直ぐに理解できるところが楽しい。

6つの面の絵が自在に入れ替わるサイコロパズルを作ろう。


ペンギンの絵の上で白黒ストライプのスライドを動かすとペンギンが歩きだす。
お孫さんへのお土産にと。


大人だって熱中する輪抜けの手品。


赤い紐と黄色い紐が一瞬で入れ替わる!

ペットボトルの中の発泡スチロールが浮き上がる静電気の力。

…(続き)