• 第62回「こども面白サイエンスカフェ12」

    Date: 2013.07.25 | Category: 未分類 | Tags:

    こんにちは。

    最近やっと梅雨があけたと思ったら、パラパラと雨が降ってきたり、帰り道で豪雨にあってしまったり。
    相も変わらず落ち着かない天気の今日このごろです。

    小学生から高校生まで、1学期の終業式を迎え、夏休みに入っているところが多いかと思います。
    北天満サイエンスカフェも、夏休みを迎えていろんな夏の思い出を作っていくであろうみなさんに、身近な科学に触れてもらう恒例の企画「こども面白サイエンスカフェ 12」です。
    「12」とあるので、北天満サイエンスカフェで行う「こども面白サイエンスカフェ」としては通算12回目の実施となります。

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    今回のこども面白サイエンスカフェには、いつもの理科の先生方に加えて、池田高校化学部の皆さんが初参加です。

    池田高校の化学部の皆さんには、タンスの防虫剤などに含まれる、樟脳(しょうのう)という物質を使って、水の上を走るボートの実演をしていただきました。
    この樟脳はクスノキからとることができます。
    実際にクスノキからとることは難しいので、今回用いた樟脳は、薬局などで防虫剤として売られているものを使用しました。

    自分の好きな形に切り取った薄いプラスチックの板に樟脳をはさみ、それを水の上にそっと浮かべると、不思議なことに、その板が、樟脳を挟んだ方向とは逆の方向にすいすいと進み、壁にぶつかりそうになったら、方向を変えてまた進み・・・という現象が見られました。

    これは、樟脳が溶け出して水面に広がり、プラスチックの板が前に押し出される現象を利用したものです。2次元のロケットみたいな感じかな。

    樟脳がないご家庭では、たとえば、爪楊枝の持つ部分に台所の洗剤を塗って、きれいな水の上においてみると、ゆっくりと爪楊枝がすすむ、と現象が見られ、同様のことが確認できます。

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    他に、硬貨の自動選別の原理や骨伝導の実演もありました。

    硬貨の自動選別原理は、実際に自動販売機で使われているそうです。
    例えば、自動販売機に100円玉を入れた時、機械はどのようにしてそれを「100円玉」と判断するのかといったことです。
    このとき、自動販売機に投下されたコインがどれぐらいのスピードで転がっていくか、ということを考えます。硬貨によって転がるスピードを変えて、その硬貨が「何円玉」なのかを調べます。ここで、硬貨によって転がるスピードを変えるためには、「電磁誘導」という現象が利用されます。

    この電磁誘導というのは、磁石にくっつかない硬貨が、転がって磁石の前を通過するときにだけ、硬貨の内部に電流が発生し、ゆっくりと転がる現象です。
    そして、どれぐらいゆっくりになるかということは、その硬貨に含まれる金属の性質や、その硬貨の大きさや重さによって決定されます。

    それによって、硬貨ごとに転がるスピードを計算し、あらかじめ決められた場所に硬貨が落ちていく、という仕組みになっているらしいです。

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    空気だけでなく、いろんなものが音を伝えることができます。2つの紙コップを細い銅線でつないでも声が伝わることが実演されました。そうすると、人間の骨だってちゃんと音を伝えることができるわけです。それが骨伝導。

    他人の声や外界の音は、耳から脳へ電気信号として伝わり、脳で処理されて「音」と認識されます。
    しかし、自分の発する声に関しては、耳から入る「音」だけではなく、自分の骨から伝わっている「音」もあります。ここでいう骨というのは、頭蓋骨のことでもあります。
    自分の発した声は、耳から聞こえる音、頭蓋骨の振動から聞こえる音の2種類あるのです。
    喋った時に自分で普段聞いている「自分の声」と、マイクを通してきいてみた「自分の声」とに、何か違和感を感じるのはそのためです。

    北天満サイエンスカフェは、身近にある現象の不思議を取り上げてきました。小学生や小学にあがる前のちびっこたちが多く参加してくれました。
    今回のサイエンスカフェで感じた「科学」の心を大切にして、これからいろんな物事を理科的観点から見つめることのできるようになっていってほしいなと感じています。
    次回のこども面白サイエンスカフェは冬休みに。おたのしみに。

    池田高校化学部のみなさん、
    理科の先生のみなさん、
    参加者のみなさん、
    ご助力くださいました、商店街のみなさん、
    ありがとうございました。

    ところで、北天満サイエンスカフェ事務局長の江田さん(ロシア語専攻)は、
    ロシア留学のため、しばらくお休みとなります。
    「いってらっしゃい」という言葉をもって今回は締めさせていただきます。
    それでは、お元気で。(K.S.)