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  • 第63回「隕石からわかる太陽系46億年の歴史」

    Date: 2013.09.11 | Category: 未分類 | Response: 0

    異常な暑さを見せた今年の夏も終わりを迎え、毎年恒例の台風の季節がやって参りました。
    第63回北天満サイエンスカフェも前日まで台風15号の動きにヒヤヒヤし、当日も台風の持ち込んだ湿った空気で非常に不安定な天気だったのですが、最後まで雨が降らないままサイエンスカフェを開催することができました。
    ...きっと日頃の行いが良いからにちがいありません。
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     さて、今回のサイエンスカフェのテーマは「隕石からわかる太陽系46億年の歴史」。話題を提供していただいたのは大阪大学大学院理学研究科 宇宙地球科学専攻 惑星科学グループの寺田健太郎さんです。

    最初に参加者の皆さんに寺田さんが質問しました。
    「惑星の数はいくつですか?」
    答えは「(太陽系では)8つ」もしくは「(太陽系外惑星も含めると)もっとたくさん」とのことでした。

     太陽系の8つの惑星の内、私達が住む地球や水星、金星、火星のように岩石でできた「地球型惑星」と木星、土星、天王星、海王星のようにガスでできた「木星型惑星」の2種類に分けることができます。
     また、地球型惑星の中でも金星や火星は大気の大半が二酸化炭素で占められています。それに対し、地球は二酸化炭素がほとんどなく、窒素:酸素=8:2という組成となっています。同じ岩石でできた地球型惑星なのにどうして地球だけこれほどまでに様子が異なったのか?
     寺田さんによると、温暖化による二酸化炭素のわずかな増加よりも、地球ができたときに大気に90%以上あったはずの二酸化炭素が地球ではほとんど失われてしまったことの方がずっと不思議なのです。
     それは地球の太陽からの距離(暖められやすさ)によって、水が液体として存在できたこと(つまり海ができた)、さらに発生した大気中の二酸化炭素が海にとけ込み、最終的に炭酸カルシウムとして固定されたことなどが関わっているそうです。実はかつて、地球上に存在する炭酸カルシウムの総量から二酸化炭素に換算すると火星や金星と同じくらいの二酸化炭素量になると報告した方がいるそうです。
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     寺田さんのご専門は地球にとどまらず、太陽系の歴史にまで及びます。寺田さんの夢は太陽系の年表を作ることだそうです。その材料となるのが今回のテーマでもある「隕石」なのです。
     隕石に含まれるある成分の変化(今回はウランから鉛への変化)を計ると、ウランと鉛の量からその隕石の年代が正確に計算できるのです。

    「計算」と聞いて参加者の空気が変わったのは気のせいでしょうか?

    年代が分かれば隕石の成分と合わせて「いつ」「何が」「どうやって」できたのかが分かってくる。隕石の情報がたくさん集まれば太陽系の歴史を追うことも可能ということです。
     さらに、地球が誕生したとされる「46億年前」という数字を導きだした貴重な隕石もお見せいただき、会場の参加者は興味津々でした。
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     今回のサイエンスカフェでは寺田さんはまだまだ話し足りず、参加のみなさんもまだまだ聞き足りないといった様子でした。宇宙の話はスケールが大きい分、興味も無限大で、2時間という枠ではさすがに収まりきりませんでしたね。今回語りきれなかった月のお話や火星のお話を、機会を改めて存分に語っていただきたいものです。
     
     最後になりましたが、寺田さん、そしてお越しくださった皆様ありがとうございました。(M. T.)

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