• 第66回「脱原発社会へのみちすじ」

    Date: 2013.11.10 | Category: 未分類 | Response: 0

    今回は立命館大学産業社会学部の竹濱朝美さんに話題を提供していただきました。脱原発といっても色々な側面がありますよね。今回は発送電とお金について議論が集まりました。竹濱さんのお話は、天候に左右される太陽光発電や風力発電を電力供給の中心に据えても、安定して電力は供給できることを強調されていました。

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    竹濱さんは風力や太陽光発電の利用が進んでいるドイツを取り上げ、ドイツでは既に、太陽光と風力で原発23基分の電力が供給されていると言います。そこにはドイツの政策による風力発電などによってできた電気を一定の価格で買い取る固定買い取り制や、発電する会社と送電する会社を分ける送電分離が行われるなどして得られた結果です。
    日本では固定買い取り制があっても今のままでは再生可能エネルギーは残念ながら普及しません。風力や太陽光の電気を買い取るかどうかは送電線を所有している電力会社が決めることができるからです。電力会社にとっては石炭や原子力で発電したほうが得ですからなるべくほかの要素をいれたくないのです。特に風力は発電しているときは非常に多くの電気を生み出すのでライバル視されています。原発や石炭発電は安定して最高出力を出していないと採算がとりにくいものですから、不安定な風力発電とはウマが合いません。
    ドイツでは風力発電を中心にして補完を天然ガスで行っています。天然ガスの方が早く最大出力になって調整が効きやすいからです。風力を中心にしているドイツでは気象予報のビジネスが盛んです。一日前にはその時間にどれくらいの風が吹くか予測でき、15分毎に随時更新していくほどです。風力がどれだけ発電したかによって電気の額が変わって取引されるのですから気象予報も立派なビジネスになっています。こんな感じでやっているドイツの電気料金は日本よりちょっと高いぐらいで済んでいます。ほとんど再生可能エネルギーが機能していない日本がいかに遅れをとっているかを知ることができました。 (K.Y.)

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    「風が吹けば、桶屋が儲かる」

    実際にドイツでは、電力自由化によって、野菜の卸売り市場のように、需給バランスによって電力料金が刻々と変化します。製造業は気象予報データを下に、電力料金が下がる風の吹く日に合わせ、製造ラインを集中して運転するそうです。好天に恵まれて、電力が過剰供給になった時には、電力料金がマイナスになることだってあるから驚き。つまり、電気を使うとお金がもらえることに!竹濱さんは、電力市場を公正に機能させるには、気象や発送電についての情報開示が不可欠と強調しました。

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