Archive for 10月 5th, 2012
-
第51回「タネも仕掛けもある手品『ゲル』」
第51回北天満サイエンスカフェが開かれた9月29日は、ちょうど台風17号が接近しつつあり、今にも天気が崩れてしまいそうな曇り空。今日はお客さん来てくれるのかな?と思っていましたが、始まる前から大勢のお客さんが来てくださいました。特に今回のサイエンスカフェには小さな子供たちが大勢来てくれました。今回のテーマは「タネもしかけもある手品『ゲル』」です。話題提供者は大阪大学大学院理学研究科に所属していらっしゃる高島義徳さんです。まず、『ゲル』って何?というところからお話を始めてくださいました。ゲルとは、溶液の中の粒子が化学反応を起こして粒子同士が結びつくことで固体に近い状態になったもののことだそうです。また『ゲル』と一口に言っても物理ゲル、化学ゲル、第三のゲル(スライドリングゲル)に分類できるのだそうです。物理ゲル・・・高温または溶解性の高い溶媒のなかにあると不安定化学ゲル・・・不均一構造を持つために壊れやすい第三のゲル(スライドリングゲル)・・・物理ゲルより安定し、化学ゲルより壊れにくいこれではなんだかピンとこないのですが、実はソフトコンタクトレンズをはじめとして保水材、紙おむつ、人工筋肉などに使用されている身近なものなのだとか。一通りゲルについて話していだだいたところで『ゲル』を使った実験をしました。用意されてあった溶液にある触媒を加えた後、ガラス棒でゆっくりとかき混ぜます。しばらくすると溶液が固まり始めました。しかも化学反応で熱を帯びたのです。これには実験に参加していた子供たちはびっくり。さらに周りで見ていた大人の方々も驚いて実験に見入っていました。この実験が終わった後、高島さんはさらに詳しくゲルの構造などについて話してくださいました。また、ゲルに関する最近の研究についても話してくださり、その中でも特に自己修復性を持つゲルについて詳しく解説してくださいました。その自己修復性を持つゲルは、ゲルを2つに切ってしまっても断面同士をくっつけておいておくと元通りにくっついてしまうのだそうです。皆さん興味津々で、「2つのゲルを用意し、それぞれを2つに切る。それぞれ違うゲル同士の断面をくっつけておけばやはりくっつくのですか?」という質問も出てきていました。この話の一方で、子どもたちはとある作品を制作していました。実験で作ったゲルをガラス棒で粉々に粉砕したあと、このような形に整えたのだとか。実験に参加していた子供たちが協力して作った作品のようで「絶対に残しておいてね」とのことだったので写真に収めてここに掲載するこにしました。ぜひご覧ください。最後になりましたが、お越しくださった方々、商店街のみなさまそして高島さんありがとうございました。(A.K.)
カレンダー
最近の投稿
- 第67回「こども面白サイエンスカフェ13」
- 第66回「脱原発社会へのみちすじ」
- 第65回「美味しい豆腐の栄養学」
- 第64回 「マラソンレース前にできること、やっておくこと(その2)膝の障害予防」
- 第63回「隕石からわかる太陽系46億年の歴史」
- 第62回「こども面白サイエンスカフェ12」
- 第61回「健康体操+α… 『心体操(しんたいそう)』の話」
- 第60回「知ってるようで意外と知らないキノコの話」
- 出張!北天満サイエンスカフェ@中之島まつり「宇宙船”地球号”の未来を考えよう」
- 第59回「日本の風景 水田の生物学 イタチムシの話」
- 第58回「こども面白サイエンスカフェ11」
- 第57回「アフリカ(ガーナとタンザニア)の文化と暮らし」
- 第55回「こども面白サイエンスカフェ10」
- 第56回「食の安全を考える-予防原則が子供たちを守る-」
- 第50回「今晩から月の見え方が変わる話」
アーカイブ
- 2013年12月
- 2013年11月
- 2013年10月
- 2013年9月
- 2013年7月
- 2013年5月
- 2013年3月
- 2013年2月
- 2013年1月
- 2012年11月
- 2012年10月
- 2012年8月
- 2012年6月
- 2012年5月
- 2012年4月
- 2012年2月
- 2011年12月
- 2011年11月
- 2011年9月
- 2011年8月
- 2011年7月
- 2011年5月
- 2011年3月
- 2010年12月
- 2010年10月
- 2010年9月
- 2010年7月
- 2010年5月
- 2010年3月
- 2010年2月
- 2010年1月
- 2009年12月
- 2009年11月
- 2009年10月