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第46回「夏の電力不足に備える! 身近にできる省エネと自然エネルギー」
5月も終わりに近づいてどんどん暑くなってきたこの頃、今月二度目の第46回北天満サイエンスカフェは「夏の電力不足に備える! 身近にできる省エネと自然エネルギー」というテーマで気候ネットワークの豊田陽介さんに来ていただき、私たちのこれからの電気との付き合いかたについてお話していただきました。
豊田さんの所属している気候ネットワークは、天候や新エネルギーに関することなどの活動をしている団体です。
さて、皆さんは日本の主なエネルギー源がどのようなものによって占められているか知っていますか?巷では原子力発電の必要性が大きく取り上げられていますが、実際の数値はどうなっているのでしょうか。
日本の電気エネルギー源
火力 約60% 原子力 約30% 水力 約10%
現在は半数以上を火力が占め、続いて原子力、水力となっています。最近よく言われている太陽光 地熱 風力発電などが占めるのは、まだその他の数パーセントに過ぎません。しかし現在大きな割合を占めている火力と原子力による発電は大きな問題を抱えています。それはその二つが建てられる場所です。というのも、これらは共通して、熱を発生させ、水を暖めてその蒸気でタービンを回すという方法で発電を行うのですが、その熱を冷ますために大量の水を必要とします。そのため海か大河の近くに立地していなければいけません。日本はアメリカ合衆国のような国とは違って大河は無いので、自ずから海岸線の近くに建てられることになります。ところがこの事が福島第一原発の事故に繋がる要因になったと考えられます。こういった背景もあって、最近ではよりリスクが少ないと言われている自然エネルギーに注目が当てられています。
それでは他の国での電力事情はどうなっているのでしょう。
たとえば北欧のデンマークについてみてみると、風力発電の割合が30%を超えています。これは日本よりも明らかに高い数値です。
さて、ここで少し自然エネルギーの定義についてお話しましょう。一般的に自然エネルギーとは自然の流れから取り出されたものです。似たようなものに新エネルギーというものがありますが、これはゴミ発電などの人為的なものを含んでいるため、自然エネルギーとは一致しません。
そして話を戻して次はヨーロッパの他の自然エネルギーである太陽光発電について考えましょう。ヨーロッパでは日本よりも太陽光発電が一般家庭に普及しています。というのはヨーロッパでは電力の買い取り制度が発達しており、日本のようにいかに太陽光パネルの元を取るかではなくいかに儲けるかという風になっており、個人が儲かる仕組みができています。日本でも今年の7月から新たな買い取り制度が施行されるので、より太陽光パネルの消費量が増えると見込まれています。これを機に皆さんも家に太陽光パネルを設置してみてはどうですか?
さて次は私たちが普段家で使っている電気の話です。
皆さんは家で一番電力を使っている電化製品は何だと思いますか?
冷蔵庫?洗濯機?調理器具?
会場の皆さんからは主に以下の四つの答えが挙がりました。
エアコン 冷蔵庫 テレビ 照明類 です。
特にエアコンについては電力の使用量が激しく、夏の電力使用量の多くを占めています。ゆえにエアコンの使用量を減らすことによって大きく節電をすることができます。
その方法にはさまざまなものがあります。たとえば、古いエアコンから新しいエアコンへと買い換えることです。古いエアコンの電力使用量は約20年前のものだと1000Wぐらいですが、現在のものは300W前後のものが多く、数倍の差があります。新しいエアコンに買い換えることはお金がかかることですが長い目で見ると電気代も減るし、使用効率も上がるのでよいことだと思われます。もう一つはエアコンを扇風機と併用して使うことです。扇風機はエアコンと比べ格段に電気代が安く、エアコン単体で使うよりも電気効率がよくなります。
そのほかにもすだれや緑のカーテンを利用して直射日光が入るのを防いだり、打ち水をして気温と気持ちを涼しくするなどの方法もあります。
さらに、照明について考えましょう。
照明は最近よく言われているように白熱球 蛍光灯よりもLED照明のほうが電気効率が良いです。LED照明は前の二つに比べ購入時の値段が高いですが、電気使用量は1/10、寿命は十年ぐらいと、長いスパンで考えるとお得になります。それに加えて、誰もいない部屋の電気を消すことなどあたりまえのことをすることによっても電力消費を抑えることができます。
今回は特に二つのことについての節電方法を取り上げましたが、自分の家の電力の利用はどうなっているのかと気になられた方もいらっしゃると思います。そんな方にぴったりなサービスがあるそうです。それは家エコサービスというもので、自宅の電気使用量を測ってくれるサービスです。料金は無料とのこと。他に関西電力などの電力会社が行っている、ネットで使用量を教えてくれるサービスもあります。
こうしたサービスを利用して今自分が使っている電力量を知ることで、より節電を意識することができるでしょう。今回のサイエンスカフェはいかに今年の夏を節電しつつ快適に過ごすかがテーマでしたが、お役に立てたでしょうか。質問なども活発に出され、皆さんのエネルギーや節電に対する関心の高さが窺えました。
最後になりましたが今回来てくださった豊田さん、そしてお客さまにお礼申し上げます。
(Y.M)
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